水素風船で空にメッセージを!

普通、小学校、中学校では、水素を作る時は、
塩酸+亜鉛などの金属を使う。

しかも、散々、「水素は爆発して危険!!」
「塩酸は、金属をも溶かす危険な水溶液!!」

と、何でもかんでも、「危険、危険」
といって、恐怖心を煽る割には、案外しょぼく、
試験管の水素を、「ポン」と、鳴らす程度。

・・・公教育の限界

今回、生徒達、しかも、「小学生」にやらせた実験は
なんと、「濃硫酸」を活用した、水素発生実験。

しかも、発生した純水素の圧力そのもので、風船を膨らませ、
空に飛ばそうという無茶にも感じられる企画。
触媒として裏技で「硫酸銅」まで活用するという本格さ。

まずは、水に、濃硫酸を、注ぎ、希硫酸を作る。
強烈な発熱反応で、ふわふわと、
湯気が立ち上るところを、見せる。

もし、手順を誤り、濃硫酸に、水を入れると、大変な事に
なりそうだという事は、説明なんかしなくても、十分に予測でき、
文字通り知識として、体に、しみこんでいく。

こういったことを、赤セルシートなんかをかぶせて、

「丸暗記」

した生徒と、目先の「得点」では、差が無くとも、
あっという的な「差」がある事を、大人達はもっと認識するべきだな。

ビール瓶に、亜鉛粒をどっさりといれ、
希硫酸と、硫酸銅を注ぐと、ビンのそこで激しく反応を開始する。

かなりの勢いで、風船が膨らむ。
その間、当然、ビンは、高熱で、熱湯を入れているかのごとく
あっつあつ、になり、しゅわしゅわという「音」がビン越しに聞こえてくる感じがする。

「発熱反応」

という言葉を体で覚える貴重な体験。

口が狭く、中が広いタイプのガラス瓶は、もし、万が一
火の気があると、ビンごと吹き飛ぶ危険性がある事も事前に十分説明しているので、
生徒達も神妙な目で見守る。

膨らみきった風船に、サインペンでメッセージを書いて、みんなで空に飛ばす。
水素とはいえ、風船につめられた状態なら、
爆発の危険性はない。

空で、ゴマ粒のように小さくなる風船をいつまでも
見上げて、見送る子供たち。

子供たちも、体験させてやる大人側も実験成功の余韻にしばらく浸る。