水中で着地した物体には浮力が働くのか

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もともと、このブログは僕の授業備忘的な活用がメインでした。
「実観」ってのは実験観察を略しつつ、「実感」を掛け合わせたものだというのは、
ブログ開始の10年前からのお付き合いの極一部の方のみぞ知るというw

いつの間にやら、総合ヲタク情報発信および書庫化してしまいました。
10年の蓄積・・・自分でも財産ですね。続けてよかった。

さて、表題の浮力の難問ですが、
先日小学生に教えていて、一つ教え方のテクニックを新たに思いつきました!

まずは問題。
①水、ビーカーが200g
そこに質量100gで体積30cm3の物体をつるす。
全体の重さは?

これは、200g+浮力の30gで、230gになります。

ヘタな講師なら、ビーカー、水の重さ+浮力なんて公式をかくもんだからw
次の問題で詰みます。

②①でつるしていた糸を離して、物体が沈むと全体の重さは?

これ、もちろん、答えは230gではありません。
30g軽くなっているんだから、270g?もちろん違います。

答えは300gです。

これは、浮力が働いていないから??

実は、この図はマズイ!直方体だと、そこにピッタリつくと、下面の水圧がなくなるため
理論上、浮力が生じなくなるんですよね。潜水艦着地浮力喪失理論です。
この問題は、球体で説明すべきでした。反省・・・!?

さて、球体と考えた場合、底についても、ビーカー底とは点でしか接していないので、
上向きの水圧は受け、浮力は、働いています。
つまり、100gの物体は、水中では、キチンと70gに成っているのです。

でも、全体の重さは270gにはならない。

答えは・・・300g。水中の物体は間違いなく、軽くなっているのにです。
なぜなのかを、小学生に分かるように説明できますか?

物体に着目し、物体に掛かる水圧差=浮力という概念だにとらわれると、
この問題を解決する事は出来ません。

ヒントは、先日、悩みに悩んだ、
糸が天井を引く力につりあう力とは何かを通して、鍛えなおした
つりあいと、作用反作用の違いの概念ですね。

教授法、アイデアが、前進する瞬間って、講師冥利につきますね。