乱立する塾の理科実験教室

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「理科実験やります」
という、文面が、最近の塾のチラシにはよく入っている。
同業者として、また、理科実験をこよなく愛するものとして、
正直「ふ~ん」であったり、「う~ん」というものが多い。

理科実験というのは、大人が思っている以上に「滑りやすい」
なんか、いい集客宣伝文句はないかな~。
実験とか喜ぶかな?
というレベルの動機で安易に導入してみると、かなりの確率で失敗する。

「ふ~ん、それで?」
などと、もし、いわれてしまったら、ゲームオーバー。
子供の感受性のせいなどには決してしてはいけない。
大人の失敗と認めないといけない。

営業的にどうとかは、大人側の事情として、
子供達が、科学への興味をなくしてしまう事は罪深い。

不思議さなら手品のほうが面白い。
ショウとしての迫力なら、本物の花火にはかなわない。
気味の悪さならホラー映画。
実益という点なら、最後には、食欲も刺激できる調理実習にかなわない。
星空ひとつとっても、メガスターにはかなわない。
完成品の美しさは、明礬よりダイヤモンド。

大量の娯楽や、刺激が物心付く前から、周りにあふれかえり、
しかも、それぞれの分野で大勢の努力と、莫大な予算がかけられているプロの
商品に囲まれて育っている今時の子供達を興奮、満足させるには、
なんちゃって実験は、むしろ逆効果だと思う。

入試実験の問題をただ単に点数を取らせたいなら、実験は必要はない。

これだけ、いって、じゃあ、理科実験イベントなど、無いほうがいいのか
というと、むしろその逆で、各塾、各団体が、もっと刺激しあって、
楽しいイベントがどんどん生み出されていく、そんなブームが来てほしいとねがう。

ちなみに、私の思うプロの実験イベントとして心がけているものをいくつか。

*実施している講師自身が、そのイベントを楽しみにしている。
*教えている講師が、科学の不思議さ、面白さを実感している。
*講師が全部やってしまわない。一番いいところは、少々危険でも、子供自身に
やらせるか、又は、自分でやった気持ちにさせる。
*結果がどうなるか、必ず、予想させる。色々な予想結果をこちらから提示するのもコツ
*身の回りでの応用例を伝える
*ゆっくりと時間をかける。
*クイズ番組の種明かしを引っ張るのと同じで、結果を知りたいという気持ちを引き出す。
*楽しい様子をうまく写真にしてアピール。写真も、単なるスナップではなく、構図、チャンスが重要
etc