レイトショーで観ておきたい!ホーリー・モーターズ

私的に、ダウナー期に入っていて、部屋に篭ろうか・・・と思っていた矢先、
T氏よりメール「ホーリーモーターズ、予約3人だけらしいから観れるぜ」
 
GW唯一の私的娯楽と予定していたので、
えいやっと出かけます。
道中の事については別記事にて。
 
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開演一時間前で、整理券番号は6!
そんなにマイナーで人気無いのかwとあせります。
夜の巨匠カラックスFANだと、レイトショーに観るというのは有る意味お約束?だと
思うので、GW後半の唯一のレイトショー上映日、しかもレイトショー割引ありという、
こんなおいしいチャンスでたった6人だと!!とまず、そこでびっくり。
 
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映画館オリジナルのカラックス作品フライヤーコーナー。
改めて、ワンカットひとつとっても、すごいなぁと。この場合のすごいなぁは、
私的でマイノリティーな好みに合致しているという意味で、大衆にウケるとなるとやはり微妙??
空中庭園でデートついでに、なんかフランス映画だしぃ、おしゃれそうだしぃというカップルは
玉砕されたはずw
 
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整理番号6番パワーで、まさかの、最前列中央席。
大型シアターだと、最前列より、中ほどがベストなんでしょうが、
こういう小型シアターだと、足をで~~んと、自宅リビングのように
伸ばせて、前の客のつむじ具合を気にしなくていいこの席はまさにVIP専用。
テンションが上がります。
ちょっとボリューム大きかったかな。
 
結局、開始の頃には、シートの5割程度は埋まっていたかな?
アリオ八尾のような、映画中にチキンや、フライドポテト、
ポップコーンをバリバリ臭い臭いを
出しながら食べる下品な客wもおらず、コジャレたファッションのアダルトな客層
ばかりなので、さすがだなぁと。
 
映画ですが、予想通り、印象・抽象系で、説明が極端に少なく、ぼさっと観ると、
難解を通り過ぎて、なんなの??と煙にまかれるタイプですw
僕の場合、少し予習していたのと、自身が、普段、
ほとんどの人にとって、わけがわからないであろうモノクロ表現を楽しんでいる側なのでw
あぁ、こんな感じに表現するんだなと細かく関心しながらみていました。
 
全編通して、とにかく
生きていく行為の悪夢的な苦悩苦悩苦悩をたたきつけられます。
もう50歳のドニラヴァンの有る意味、変態的なまで、神がかった演技力&ボディにも、感動。
日本人俳優でこんな人、まずいないよなぁ。
 
全く違う人生を送ったとしても、どの道をたどっても結局苦悩。
心が安らいだ・・・と思ってもそれすら、次に控える苦悩前の
まやかしで、幸せな時間中にすら、うそ臭い時限性のものを
チラチラと意識してしまう・・・
 
という、陰鬱な空気をぷんぷん感じます。
 
登場人物たちには笑顔のかけらも無く、(もちろん、苦笑いや、付き合い笑いはありますが)
老人の最後を娘が看取ってくれる一見素敵なシーンですら、
こういう最も大切にすべき、最高の時間も、(もちろん映画内の話に限らず)
しょせん、予定調和の役割を、演じさせられているだけなんだだと思うと、
俯瞰して、人生がすべからくしらけてしまうという恐怖感をジワリと感じさせられます。
 
今僕が切実に感じている人生の行き詰まり感、閉塞感、無力感に
あまりにも絶妙のタイミングでこの作品に出会ったので、コレも運命かなぁと。 
 
とまぁ、そんな感じの重いテーマは、あくまで、映像や音を効果的に見せるための
スパイスであって、僕は、写真や動画FANとして、構図や、ボケ具合、
暗闇の疾走感等を味わうのがこの作品のメインだと。
 
将来4K対応ディスクが出た頃に、65インチ4Kモニターで、もう一度
ゆっくり観たいですね。
ソファーに足を投げ出して。
 
 
改めて、T氏、誘ってくれてありがとう。