陰翳礼讃339 使命感に生きる

現代人が抱える中心的な問題はむなしさ

自己実現欲求がむなしさを生む

不安をカバーする一つの方法として、いつも忙しくしている

忙しいということが自己の重要性を証明するものであるかのように

欠けているものを求めるのではなく

自分らしさを発揮したいなどと思ったとき、何をすればよいのかがわからない

つながり欲求や承認欲求に駆り立てられている人がいかに多いか

つながりの数が多いほど、実質が伴わない浅いつながりが多くなる

生きていると実感できるような、もっと手ごたえのある日々を送りたい

手帳が予定で埋まるとほっとする

それは虚しさを覆い隠す戦略だ

するすると過ぎてしまう時間は、

意識にほとんど跡を残さない

何かで行き詰まりを感じたり、逆境に追い込まれたりしたときは

生きがい感を手に入れる絶好のチャンス

状況に抗いながらもがくことによって生きがい感が高まる

気晴らしに頼りすぎると虚しさから抜け出せない

すぐにテレビをつけスマホをさわり、SNSでやりとりをする

自分の中のむなしい思いに直面せずに済む

そうしてるうちに、心の中の虚しさは増殖し続け

ますます得体のしれない不気味さをましていく

自分がしたいと思うことと義務とが一致した時最も生きがいを感じる

使命感を持つことが生きがい感につながる

忙しさの中で喘いでいることを嘆きはするものの、たしかに生き生きしている

だれかのために役に立つ