幻の絶版名機 SEIKO クルージングマスター

社会人1年目
 
家を、半ば喧嘩別れのように飛び出して、一人暮らしをはじめた
分、家財道具等、ゼロからのスタート。
 
毎月の給料で、
湯沸かし器
炊飯器
電子レンジ
と、ライフラインレベルの、
生活必需品をコツコツと、ひとつずつ買い揃えていきました。
 
社会人2年目の冬のボーナスをもらう頃には、
ひととおり、そろって、ようやく、何か、自分にご褒美になるような
贅沢なモノをかいたいなと。
僕もまだ、若く、苦しいけど、上向きの、夢のある時代でした。
 
メーター等、アナログな、機械の動きを見るのが好きだったので、
日本橋の時計専門店で、
一番ゴチャゴチャカッコイイwと一目ぼれをした
 
セイコー クルージングマスター 7K36-6A00
 
人生初の10万越えの時計を身につけて、
しびれるほどの達成感、幸福感を味わったのを覚えています。
 
そして、その3年後の冬の夜、まだ、電池交換を一回しか
していない、一生モノの相棒になるはずだった、
クルージングマスターを紛失!
 
その夜に着ていた、アニエスベーのロングコートの
ポケットを、何十回まさぐったことか・・・
 
その後、クルージングマスターは、ほどなくして、絶版。
cal 7K36の後継機も、ムーンフェイズを省略した
亜流のランドマスター、マリンマスターで使用されたきり、姿を消します。
一般にはウケなかったんだろうな。
 
途方にくれた僕は、その後、しばらくして、
シェルマングランドコンプリケーションを購入
時計の魅力に目覚めて、Sinn156にたどり着きますが、それままた別の話。
 
クルージングマスターを失った後も、やっぱり僕にとって特別の時計でした。
 
ヤフオクにアラートを入れているものの、キワモノアイテムという事で、
大体、2年に一回のペースでしか、出品されません。
しかも、大抵は、当時の定価近い厳しい値付。
 
今回、傷まみれで、動作未確認という事で、格安スタートにて
出品されている情報をキャッチ、久々、ドキドキしてしまいます。
 
結果、かつてない破格値にて競り落とし、
手元に到着。
10数年ぶりに再開!
 
届いた商品は、無残にも、外周ベゼルが取れた状態。
ブレスは傷まみれで曲がっています。
しかし、機能はALLクリア!!
バッテリー、パッキンは、新品に交換済み。
 
外周ベゼルは、ペンチでぱちんと、自力でつけました。
傷が若干付きましたが、元々付いている傷からしたら、
些細なものです。
 
それに、使い込んだ感があって、カッコイイかなと。
ちなみに、フェイスは、サファイヤクリスタルガラスなので、
小さな傷ひとつありません。
 
その雄姿をご覧下さい。
 
イメージ 1
 
稼動箇所は、レマニア5100の9箇所を上回る11箇所。
これは、シェルマングランドコンプリケーションの10箇所すら凌ぎます。
 
イメージ 2
 
中でもお気に入りなのが、このムーンフェイズ
もちろん、フェイクではなく、29.5日で新月~上弦~満月~下弦を
アナログ表示します。
なぜ、こんなにかっこよく、実用的なのに、
ランドマスター、マリンマスターでオミットされたのか謎。
ゴールドのエッジがとてもシャープ!
 
イメージ 3
 
実用面としては、気圧傾向計が超便利。
気圧の変化の積算値をメーターで表示し、
かなり精度の高い、「天気予報」が可能です。
 
casioトリプルセンサーやスントなどでも
そういう機能はあるのですが、やっぱり、アナログメーターってのがカッコイイ!!
 
ベゼル最外周はメッキではなく、中までゴールド、傷が付いても、
味が出ていい感じです。
船舶の運行計器って感じですね。
 
ただ、欠点は、
夜光がないので、暗闇で使えないという点と、ストップウォッチがない点。
あと、ゴールドシルバーコンビのブレスが、やや前時代的、成金っぽいって
所ですね。
 
それを回避するために、もともと、ブレスはかなり痛んでいたという事も
あって、NATOバンドのグレー20mmと交換します。
 
予想通り、ぐっと、シックに中和され、
超お気に入りアイテムに生まれ変わりました。
(写真はまだ撮っていません・・・)
 
長年の、悔しかった記憶をひとつ取り戻せた
達成感に、しばし感動中です。
 
 
ps
写真はすべてTG-1手持ち。
テレマクロ機能が凄過ぎて、マクロレンズを買いそびれていますw