Sinn157BS マットブラック塗装された金属のカッコよさ

ずっと、したためていた157BSの記事をようやく書くことに!


Sinn157系は、ヘルムート爺さん自らがデザインしたご自慢のウォッチの一つで、
現行で販売されているモデルのどれにも似ていない、非常に完成度の
高いフォルムで有名です。
約10年ほど前、レマニア5100キャリバーの民生供給終了により販売終了。
正規代理店、本国Sinn社でも入手不可能で、現在は、
オークション等でしか手に入れる事はできません。

その中でも、極少量、スペシャルモデルとして生産された、157BS
通称、マトブラーク157は、販売当時、正規代理店のPXでは取り扱いが無く、
ドイツ本国で買うか、黎明期のヤフオクでのディーラー出品を待つしか
有りませんでした。

当時の2ちゃんSinnスレでも、その珍品さが話題になり、
争奪戦が繰り広げられていました。
僕も、オクに参加し、競り負けて玉砕!
その時は、また出るかと気軽に考えていましたが、
十数年、二度と出品される事は有りません。
フェイクではなく、ほんとうに、存在していたのか?
と奇妙な感覚にとらわれるぐらいでした。

今年のMyBDの頃に、過去、一度も反応したことの無かった、
157BSのオークションアラートがHIT。
ほぼデッドストック状態。目を疑います。
やっぱり、存在してたんや!

アンバーに焼けたトリチウム夜光、濃い目の無反射コーティングで青く輝く
サファイヤ風防、ずっしりとした、ステンレスブロックから削りだされた
ケースとブレスには、ひんやりと硬質なマットブラック塗装。

このチャンスを逃したら、また十数年出会えない??
無い予算をかき集め、早めにランニングを切り上げ、両手合掌で
祈りつつ、薄目をあけて、モニターとにらめっこ。

無事、落札!

十数年あこがれた幻の逸品です。

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お金を出せば、いつでも手にはいる、Heuer1550SG等と違って、
運命的な出会いがないとオーナーにはなれないアイテムです。

キッチリ、重い!硬い!冷たい!
プッシュボタンのパチッ、ピッっとした、フィーリング、ポルシェデザインの
オルフィナミリタリーと人気を二分したガチミリタリーユースモデルです。
たった数枚の参考画像しか今まで見ることができなかった
実物を手にとれる感動。

ヴィンテージロットリングもそうですが、この手のアイテムを一つづつ
手元にそろえて行く都度、
心が深く、豊かになっていく充実感で満たされます。
プロダクターたちに敬意を感じます。

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自分も、同じ時代に生きた人間として、自分ができる、いい仕事をしなきゃね。

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