この作品が、万引き家族の監督と同じだと言うことすら知らず、
なんの前知識なくみました。
HD内の積み動画・映画は数十時間分あって、最初の十数分・・・ひどい時は
数分見て削除するような贅沢な消費の仕方をしています。
そんな中でこの映画も、最初は陰気臭い映画だなあ・・・ぐらいの
引き込まれて前のめりに。
何年も前の映画ですし、すでに旬は過ぎているので語り尽くされているんでしょうが、
自身にとってはおそらく年に数本レベルの名作、殿堂入りと感じましたね。
自身の生き方と主人公の人生に共通する部分が多く、
感情移入しやすかったのも大きいな。
冴えない、かっこよくない、でも夢ややさしさは絶えない。
周りも基本ツレナイ、しかし一瞬こころが通じる瞬間に希望を感じます。
セコくギリギリまで薄めたカルピスを凍らせて
アイスクリーム代わりに老母と中年のおっさんがそんなにうまかないねと
言いながらも一緒に食う侘しいながらも、贅沢で幸せな瞬間。
なんもいいところ見せれないけど、幼稚ゆえの無邪気な発想で
雨の夜の公園に息子を連れ出す行動力、しけてまずいおやつを顔を合わせて笑顔で食う。お金では絶対に買えないしかし、コレまた人が感じる最も幸せな瞬間の一つです。
この映画の良さに気持ちよく酔うことは、少なくとも三十路の頃までの
上昇志向だった僕だと絶対に無理だったろうなと。
対して、この一ヶ月ほど、たまたま見始めたひろゆきのyoutube動画
視聴者の質問にヘラヘラ答え続けるという動画をなんとなくみています。
「海よりもまだ深く」に感じる魅力の真逆の楽しさがあるなと。
ひろゆきの生き方のベースに、
正しいこと=お金が稼げること
という大前提がベースにあって、
たとえば、宝くじを買う人は本当に馬鹿というのをすごく執拗に語るんだよな。
僕みたいに3枚だけ買ってそれで一ヶ月ほど
「当たらないのがわかってて、それでも楽しい」
という感覚を理解できない人は
「海よりもまだ深く」の良さは絶対に味わえないんだろうなと。
それでも、ひろゆきの動画を見ている理由は、
怖いもの満たさ、聞きたくないこと聞きたさというか、
「醜い人の正しい考え方」
が、サイコホラー番組のようで結構はまるんですよねw
たくさん見ると吐き気がするのですが、七味のように生活に少しあると
引き立つってな感じです
僕はなんもしてない、ただ、ビールを飲んでだらだらしゃべるだけですよ~
それで年収1億超えとか世の中狂ってませんか?という
確信犯的「嫌味演出」が延々続くのですが、
始終漂う、「俺は現代の勝ち組」「アタマの悪い人って残念だよね」
「なんでそんな馬鹿なこと我慢してるの」
という90年代~0年代のサブカル教祖を守り続けている古典芸に
妙な懐かしさを感じるんですよね。
あの頃の時代の寵児・・・ドメスティックブランドのデザイナーなんかも
ガンガン時代に淘汰されて滅んで行った中、
何人もいらないけど、少数は欲しいよねというジャンルの人だな。
正論もどきや共感できない綺麗事に対処する時、
こういうヒール部分も併せ持つと人生は面白くなるので、
毒を体に入れる感覚で、身も蓋もないひでぇ事いう気持ち悪い人だなあと思いながら
も楽しんでいます。