小さな真っ白な頭骸骨

8月の末、行きつけの海辺の廃墟ホテルの屋外プールサイドで、
少し大きめの犬が血を吐いて死んでいました。
 
まだ、血は赤く、遺体も傷んでいなかったので、
亡くなって間もない頃なんだろうなと。
不思議と、怖さは感じず、
本来、もう誰も来ないはずの場所で、
静に終わったであろう命を想像して
合掌だけしてその場を去りました。
 
一ヵ月後、
遠くから、その場所を恐る恐る見ると、
影も形もありません。
保健所に通報があって、処理されたのかな?と、
こんな田舎町のさらに、廃墟の中まで、
僕以外に興味を持つ人間なんかいるのかな・・・と
少し不思議に思いました。
 
先日、思い切って、再び近くまで足を運びます。
 
遺体があった場所には、少しの
体毛と、真っ白になった骨、首輪が散乱。
 
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少し離れた場所に、違和感があるほど小さく見える、
標本のようにキレイな頭骸骨が、海の方を向いてちょこんとしていました。
前と同じく、気味の悪さは一切感じず、
合掌をしてその場を去ります。
 
花でも、置いてあげたらよかったなと、後で思います。
 
ミイラのように、何千年も死体が残る方がおかしいのであって、
たった2ヶ月、雨風光と動物の食物連鎖だけで、
生き物は、命を失うと、こんなにキレイに、空気に戻るんですね。
 
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もう、7年ほど帰っていない、僕の田舎に帰って、
墓参りついでに、色々、話をしたくなりました。
もちろん、離れた場所からも、思いは伝わると思いますけどね。