光と影#36 いい写真家は墓を撮る

上手ければ違うもの撮ってもいいけど

面白くないじゃない?

貧しいテクニックで同じようなモノばっかり撮った方が作家性が強いから

写真コンテストに受かるうまさは

現代写真では意味ないしね

評論家は違うものを撮れっていうけど

毎回同じものを撮って興奮しているっていうのが写真家だから

何かしている時じゃない方がいいんですよ

何かしてる時っていうのは誰でも撮るんですよ

写真が好きだと思われたらおしまいじゃない?

写真に対して破壊力を持たないと

柴田さんの作品を見た後に実物のダムを見ると、

柴田さんの写真に見える

構図は後から決まって来る

どう壊すかをみんな考えてる

失敗している写真展の方が参考になる

成功した写真展なんか感動するだけだから

写真は被写体と正対して撮るって教育を受けたからなぁ

寝っ転がって撮るっていいなぁ

水を撮れたらなんでも撮れますよ

モノの意味じゃなくて形で見るんだよ

この線がかっこいいなとか

グレートーンは不穏なんですよ

閉塞感がある

バランスが悪い所がいいのかな

建物の大きさと人間の大きさとか

最近の若い人の写真は余裕すら感じるよね

こんなもんでしょ

みたいな

未来があると思ってるから

ほんとはないんだけど

頭が悪い人って意味を求めるんですよ

意味のないことを10年、15年、続けられるか

意味のある事を続けるのは楽なんですけどね

写真はいいですよね

通勤時間に撮ってるだけで作品になるんだから

作品作りに専念するとか言って会社辞めたりする人もいますけど

そういう人はだいたい続かないんですよ

いい写真家は墓を撮るんですよ

ウォーカーエヴァンスしかり

墓を撮らずして何が写真家か!

でも俺は撮ったこと無いんですけどね

難しいんですよ