森山大道 犬の記憶 1984年オリジナル

犬と網タイツで、すっかり、大道中毒が再発した僕は、
1984年の朝日新聞社版「犬の記憶」オリジナルをポチ。
写真集というより、エッセイ集なので、
80年代オリジナル本にしては、光と影のような
破壊的なプレミアム価格はついていません。
いつでも入手可能な、文庫版が出ているってのも大きいかな。

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写真を本格的に始めた平成20年代初頭に、図書館で何度も読み返した書籍です。
光と影しかり、やっぱり、80年代のオリジナルと、復刻版では
迫力が違いますからね。

何故、僕が大道氏のストリートスナップに惹かれるのか、
何故、僕が、同じようなストリートスナップを残そうとするのか、
少し、ヒントがつかめたような気がしました。

写真コンテストシーンでよく出るキーワード

「ヒリヒリする感覚」「強い写真」

これは、音楽でも時に感じます。
大道氏のラフモノクロームにフィットするBGMの一つに、
坂本龍氏一のThatness and Therenessが有ります。


この共通項はなんなのだろう?隠されたヒントがぼんやりと。

thatness(そこにあること)
thereness(そうであること)

「いったん逃げた風景のかずかずは、僕の内部でもうひとつの風景となってある日とつぜん立ち現われてくる。それは、まったく時空を超えた視覚のなかと脈絡を絶った意識のなかに、ふと再生されてくるのである」。写真は現在と記憶とが交差する時点に生ずる思考と衝動によるもの

いつも「どこかで見た風景」や「記憶の底にある景色」を求めて、
「それを見ている自分を探す」旅のように、終わりなく続いてる

記憶を焼き付けて行くことの葛藤

センチメンタルな感情というのは過去ではなく、現在の自己から生まれているものである。