高校入試は、学習指導要領内で勝負してほしい

本来、高校で丁寧に、ゆっくり習う内容を
高校受験問題としていきなり出題して、演習をしていない生徒を悩ませる。
特に化学分野で目立つ。

今日は、プルーストの定比例と、ベルセリウスの倍数比例の計算問題を
高校受験対策として演習する。
特に、倍数比例のほうは、「こんなん、当日解けなくても
合格するから安心して!」と励ますのでやっと。

予備知識の無い状態で、塾等で訓練をしていない生徒にとって
独学での受験勉強は、苦しいんだろうなぁ~と同情。

塾講師という立場上、少なくとも、来てくれている
生徒達が損をしないように、ある程度は教えるんだけど、
限られた時間の中で、学習指導要領外の内容を教える事は、
あまり好きじゃない。

それにしても、学習指導要領外の受験問題を出題する高校は、
ルール違反ぽくって、(確信犯なのか、無視、あるいは無知なのか)
スマートじゃないよな。

ほら、うちは、こ~んな難問を出しますよ!
と挑戦してくるのなら、学習指導用領内で、工夫して作ってほしい。

参考
ラボアジェ・・・質量保存、プルースト・・・定比例
定比例は、1799年に認められたが、反対案のベルトレと8年間の論争の末
なぜ、各成分元素が一定の化合量をもつのであろうかという疑問は
各元素ごとに特定の重さを持った粒子があるからではないかという推論につながる。

高校受験では
酸素:銅=1g:4g(サンドイッチよんと覚える)
酸素:マグネシウム=2g:3g(さんまに~さんと覚える)
の二つが有名
たまに、水素:酸素=1g:8g 鉄:硫黄=7g:4gも。

*倍数比例の法則(ベルセリウスが実験的に証明)
入試問題で出題されることはまれ。酸化鉄や窒素酸化物の
化学式を求める計算問題で数年に一回登場

AとBで化合物を作る。
化合物が、何種類か存在するとき、Aを一定量にすると、
Bは整数倍で変化する。
→化合物が連続的に変化せず、簡単な整数比をなすということは
物質は最小単位の粒子(原子)から出来ていることの仮説の正しさを示唆。

*ゲイリュサックが気体反応の法則
気体の体積比は化学反応式の係数に比例するという知識は、
定期テストにはあまり
出題されないが、入試問題には、そこそこ頻出知識である。

水素:酸素は2:1の体積比で常に化合する・・・気体反応の法則
水素:酸素は1:8の質量比で常に化合する・・・定比例の法則
ちなみに、どちらも定量的に扱った問題を出題するのは
本来、学習指導要領外!

そもそもこの知識は、
1808年ゲイリュサックが気体反応の法則を発見
→ドルトンの原子論では、説明不可
アボガドロが「仮説」として、分子説を発表、ゲイリュサックの法則を説明
→50年後カニッツァロが重要性を認識
というたくさんの先人達の努力で完成。

ヒントなしで、テスト時間中に、ゲイリュサックと同じ思い付きを!と
酷な事をいわれても・・・