教科書どおりで言うと、ガスバーナーに関しては、
点火方法と、消化方法を覚えれば、定期テスト、入試では十分に事足りる。
理科講師をしながら、去年までの十数年間、理論は完璧でも、
実際のガスバーナーに点火した事は一度も無かった。
この春から転職した先では、小学2~3年生ですでに、
平気でマッチを「自分で」すり、ガスバーナーに点火できる。
凄いやつらだ!
という気持ちもさておき、新入生はそういうわけにも行かず、
一から丁寧にガスバーナーについて伝える。
まず、空気調節ねじ、ガス調節ねじ、ベースの3点に分解
普通の使い方を訓練した後、
空気調節ねじなし、
ガス調節ねじなし、
調節ねじ両方無し
の「イレギュラー」
使用方法を体験させる。
部屋の明かりを消して、暗闇で行うのがコツ。
空気調節ねじなしだと、
ターボライターのような、ジェット音のする鋭い炎が発生する。
迫力があるのが、ガス調節ねじなし、あるいは調節ねじなしの
「直火」づけ
教室の天井近くまであがる
オレンジの炎を見ながら、
ガスバーナーの潜在的な能力を体で覚える。
不完全燃焼のため、手を少々かざしても
それほど熱くない。
炎についての必要以上の恐怖感をなくす事と、
それとは逆に見くびる怖さの両方を
バランスよく教えるのはなかなか難しいが、
しばらくすれば、
生徒達は、
定期テストのための
ガスバーナー知識ではなく、
実験器具としてのガスバーナーを自由自在に扱えるようになる。