寒い日はDの食卓2を思い出す。

つんどくゲームが増えて来て、一つ一つのゲームを丁寧に遊ばなくなった頃、
エンディングまで一気に楽しんだ記憶に強く残るソフト。

自分の才能を信じ、不安になる事があっても、
「俺が、駄目になるはずが無い。認めない方がおかしい」と、
不器用にもがく飯野さんを、当時は、自分自身にも重ねて応援していた。

そんな人の最後の断末魔的作品だっただけに、
少しひいきの目もあるのかもしれない。

灰色の吹雪が続く、寂しい雪山をざくざく歩く感覚が絶妙で、
切ない気持ちにさせる。
ストーリーも適度にシュールで、王道のバイオハザードなんかより、
ナルシストっぽくて好み。

学生時代、お金が無いから、人気の少ない地味なゲレンデをあえて選び、
軟派なんかとは無縁のストイックなスキーをよく楽しんだ。

のろのろとリフトのきしむ音だけが聞こえるゲレンデで、
吹雪の中を一人で滑ったときの
「雪の臭いと、空気の味」
を思い出す。

ラストで、21世紀までのカウントダウンが、
内蔵時計とリンクして表示されていた。

すでに21世紀になってしまった今、
もう一度起動させてみたら、どうなっているんだろう。

夢のマシーンだった、ドリキャスは、
コントローラー接触不良、断線気味なS端子テレビ接続ケーブル等
ハードウエアのダメージがひどく、この数年押入れの奥深くに専務箱と一緒に
隠居してしまっている。

案外、このまま、二度と起動しないほうが、
当時の余韻をいつまでも美化できたままでいれるのかもしれないなぁ~