過度に陰鬱演出、煽りすぎ!~親なるもの断崖

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いろんなジャンルに

「そのジャンルを語るからには、最低限体験しとかないといけない鉄板」

ってのがあって、この「親なるもの断崖」も、サブカル漫画FANなら、
読んだことがあるのが前提という作品の一つですね。

積み状態でしたが、レアな連休の何かするぞ!イベントの一貫で、
昨日の深夜、一晩潰して約1000ページ、読みきりました。

25年ほど前に出版されて、
長らく絶版状態。
でたらめなプレミア価格がついて、おいそれとは
読めない状態に。
そりゃ、この時代に、まだ、11歳だのの女の子が、
無理やり売春させられてる描写とかも多いので、まぁ、色々アレです。


思想的にも、はだしのゲン的な、戦後極左教育のステレオタイプ

戦争反対!軍人は悪!!
戦争をしてしまった歴史は大失敗

的な、ノリがちょっと古臭い。

左よりの人間は、イケメン、美女に書かれていて、
そうでない人間は、醜悪、けだものというシンプルな、
完全懲悪。

いやぁ、陰惨な世界感の表現でいえば、
「ウシジマ君」のほうが、はるかに、現代の闇に
フットしていて、いろんな意味でトラウマ、落ち込み度が違いますね。

特高に縛られて、拷問をうけるのと、
イマドキヤンキーにつかまって、リンチをうけるのと、
時代は違っても、
いやなもんはいやってだけで、
その量が、明らかに、増えたり減ったりというわけでもないような
気がしています。

極端なことをいうと、
戦前、戦中、戦後と、
どの時代が、不幸で、どの時代が幸せかなんて、
実は、立場が、違う時代から想像しても、意味がないことで、
その時代ごとの、幸福、不幸は、常に一定なのでは
ないのかなと思っています。

もうちょっと具体的にいうと、

モモ太郎で、

鬼が出没してみんなが困っている時代
鬼退治に苦労している時代
鬼がいなくなった時代

昔話だと、ラストが、平和で、問題がなくなった永遠楽園のように
かかれていて、子供の頃は、その展開を素直に、受け入れますが、
大人になると、その後も、どうせ、すぐ別問題で怪しくなるもんだよねと知っています。

どの時代も、実は、幸、不幸のトータル値は同じだと気づくんですよね。

イデオロギーも、政治も、戦争も、今って、悪い、よいだけでは、語れないもの
・・・どうやって、違う正義どうしの落とし処を、どう探るかが、重要な時代ですよね。

中学生ぐらいなら、そういう事もやんわりではなく、しっかりと教えはじめないと、
あぁトランプはダメだ!とか、戦争反対!とか
ブラック企業はダメだとかうわべだけで、吼えてるのって、結構ヤバくないですか?

バリバリ自然発生し続ける、身近な日常生活の矛盾が、何も解決できず、
ふてこい態度で、神経をすり減らして、弱っていって、のたれじぬとか。
そんなんこそ、まっぴらゴメンだ!

少なくとも、

何かは絶対にダメor良い

という100%系理論を真顔で言う人は、たいてい「怪しい」と思って間違いないかと。


話は戻りますが、このタイトル、自分が、中高時代に読んでたら、
重すぎるテーマに、気分が悪くなってたと思います。
色々経験したオッサンフィルターがあると、ずいぶん見方が変わります。

僕は、この手の、サブカルよりベストセラーは、自分の初見の感想を
持った後、アマゾンの批評を全部目を通して、
そうだそうだ、いやちがうと、楽しむのも好きなんですよね。

サブカル野郎wを語るには、
一読しとくべき作品のひとつではあると思います。