レオスカラックスの「ボーイ・ミーツ・ガール」ですっかり
モノクローム洋画に目覚めさせられたのですが、
あの刺激を・・・と不意に
モノクローム映画 悲劇
で検索してグーグルキャッシュNO1だった
「シベールの日曜日」
をみつけます。
ほうほう、どんな映画かいな。あらすじを見てみると
何でも、記憶を事故でなくした三十路の男性が、
親に捨てらた12歳の孤独な少女と出会い、最後に悲劇を迎える・・・
という、なんとも、香ばしい設定w
どれどれとアマゾンのレビューを見てみると・・・
>>恐らく個人的には生涯でこの作品を超えるものはないだろうと思っています。
>>ため息を100回吐いても足りない感激です
>>この世界中で、私の一番好きな映画。
>>それを想うだけで、胸が苦しくなるような映画は、私にとってただこの1本だけ。
なんか、すごい作品みたいです。
川島小鳥のBABYBABYを見つけたときと同じざわめきを感じます。
1962年作成なので、ちょうど50年前の作品。
レンタル検索してみましたが、置いているショップは無く、
アマゾンで注文して早速鑑賞してみます。
ここからネタバレ
大体のストーリーは
アマゾン等で見ていただくとして、
まず、モノクロームの映像美と音楽の陰鬱さ、切なさが素晴らしいです。
ハイコントラストな、ボーイ・ミーツ・ガールとはまた違って、
淡い、常に大口径開放で撮影したような、幻想的な感じです。
主人公が、ヒロインの友達に嫉妬して大人気なく殴ってしまう所や、
その後、ツンツンしていた、ヒロインが、
突然、ニコッと笑って、
「あなた、妬いているの?」って「デレ」が来る瞬間等、
なんという繊細な演技+演出かと。
その後、ヒロインを背中から、抱き上げたまま、冬の湖畔の森を
にっこにこで、歩くのですが、この次点で、主人公も、鑑賞者ももう、
完全に魔性の虜フラグをたてられてしまいますw
この後、主人公が、彼女とのデートを見付かってしまった
時の、ヒロインからの「逆」嫉妬の描写や、
初めて自分の本当の名前を教えてくれるあま~いシーン等、
よくもまぁこういう
「厨二病じゃない厨二」
とも言うべき、臭くはない、でもよい意味で臭い(W)
うっとりする世界を作り上げれたなと。
業界が食ってくために、惰性気味に大量生産されている
ようにも思える昨今の「萌え文化」
のペラペラの薄さとは完全に別格です。
とにかく、驚きの連続でした。
グラスで傷を付けてしまった主人公の傷口を
チュッと吸い上げ、たった、それだけの事なのに、
「もう他人じゃないわね」
とうれしそうにいういじらしさ。
あぁ~~これこれ、これだよなぁ。純愛って。
古いよき時代の映画の中か、
自身の封印され、美化された、昔の思い出の中でしか、
存在できない空気感。
すごく切なくも素敵な夢を見て、あれ、どんな夢だっけ?
と思い出せない情景を、まんまそのまま見せてもらえた気分です。
四六時中「あるある」
といい続けながらあっという間に二時間が過ぎてしまいました。
まさに、幻の名画。
こういうディープな作品は、
僕が、知らないだけで、もっともっと一杯あるんだろうな。
また、発掘していきたいですね。
話は変わりますが、
やはり、映画は、4:3モニターだとつらい!
映画鑑賞がメインなら、HDブラウン管か、高級プラズマなんですよね。
5Dmk3がガッカリだったので、
パナソニックVT3 42型 GWをめどにポチろうかなぁ・・・