さようなら ローランドMIDI音源

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晴れて、大学生になった十数年前、大阪の日本橋電気街を
リュックを背負って、一人で意気揚々と歩いていた。

まだ、「萌」文化は、覚醒していない、
新旧過渡期のでんでんタウン

お目当ては、PC9801RXの購入!

キャッシュカードなんて感覚もない、田舎モンだったから、
チャチな財布に入りきらない合格祝いPC購入資金の「札束」を、
今はなき三和銀行封筒に入れて、ワクワクで出かける。

色々並ぶPCショップの一角で、ふと、
「PC自動演奏中」という、マジックで大きく書かれたPOPが目に入る。
ビートルズのヘイジュード インストゥルメンタル が流れている。
凄いスピードで巡回していた足が、ピタリととめられる。

骨太のずっしり来るストリングス、華やかなブラスの音質。
スーパーで、流れている、ナンチャッテ・インストゥルメンタルBGMとは、
まったく次元が違う。

FM音源でこんな音が成るはずがない?
かといって、CDでもない。
これは??

初めて「MIDI」という単語に出会った瞬間。

先輩のX68000ソフトなんかで、「MIDI」対応などと
書いてある、のはこれかいな!と。

大慌てで、先輩に、MIDIとの出会いを報告すると、
さも、そりゃそうさみたいな口調で、
MIDIの音質が凄いのは、当たり前!
しかも、楽譜を入力したら、自分で作れるからな」

自分で作れるだとぉ!!

一年後、歳末長崎屋の倉庫出しのバイトでようやくたまった
お金で、晴れて、SC55MK2ゲット!

ミュージ朗のパッケージを持って、帰りの電車に乗っている間
「オレ、凄いカッコイイもんかってん。今日。」
みたいな感じで始終ニヤニヤしていたはず。

自分の部屋に飛び込んで、
早速、デモサウンドのMoonlight Picnicを演奏させて、
透き通ったサウンドに、悶絶!
当時のどの高音質CDよりよい響き。

夜な夜な、YMOや、セガSSTバンドのスコアを付属のバラードで入力、
プロの作ったMIDIデータをmimpiで自動演奏。

まだ、20代が始まったばかりだった。

写真は、お別れ、前夜のSC55MK2。

うぅ、ちょっと寂しく成ってきたかも。