陰翳礼讃240 風景を読む

「いま、ここ」に対してどう挑むか

偶然を必然に変える

自分の思い通りのミライを歩むことはできないが

ある程度の予想や予測を行いながら日々を送っている

想定外のことは当然起きる

ただ予め何も描かないで日々を送っているかそうでないかでミライは変わる

だからその

「いま、ここ」を待つ、あるいは能動的に作り出す

予測する

すると、思ってもみなかった偶然が重なるだけでなく

思っていた以上のものが撮れることがある

ロケの時、日の出と日の入りの時間は必ず把握している

マジックアワーは20分

一方で大切なことはけっしてその苦労や労力が伝わらないようにすることだ

たまたま行ったら撮れたように見せることは重要だ

それまで存在していないもの見えてみても見えていなかったもの

に新たな価値を見出したり付加する行為

誰も歩いたことのない道に分け入ったら

さらにその道のプロフェッショナルになる必要がある

誰も歩いたことのない道でなければ意味がない

二番目ではだめなのだ

作品を完成させる過程で必ずキーワードとなる言葉が必要だ

タイトルとして耐えうる言葉が必要だ

ふさわしい言葉がなければどうしても先に進めない

その言葉に当てはまるかどうかをジャンジしながら撮影する

だから迷うことはない

当てはまらないと感じたら撮らない

撮らなくていいものがわかることはとても重要だ

最終形が見えているとも言える

それが明確にわかっている方がより作品のレベルは高くなる