京アニ事件 努力と才能と運命の矛盾

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もう、5年になるなぁ

人生の超激貧時代を脱出しつつあった時に念願の大型4KTVとブルーレイプレイヤー

とともに、予約で買ったブルーレイディスク京都アニメーション

境界の彼方でした。

俺も、あの時代からよくここまで復活できたよな。

 

この作品の美術監督作画監督も亡くなられたようです。

娘と観に行ったリズと青い鳥作画監督も亡くなられました。

映画パンフのクレジットと実名報道された方の名前を見比べて

驚きの連続でした。

 

京アニ作品は、ハルヒけいおん時代は、あんまり興味が無かったのですが、

氷菓から見始めて、FREE、たまこ、ヴァイオレット、ユーフォと、

ほぼ、毎回新作を全部楽しみにしていました。

 

ストーリーとかは置いといて、とにかく京アニスタッフの

キャラクターデザインが僕好みだったんですよね。男女共に。

 

作画やキャラデザなんてのは、その人唯一の天性の感覚が重要で

他の人では替えが効かないんだよな。修行とか関係ないです。

うまいへたではなく、人が、気に入るか、気に入らないかって、

結構偶然の要素も大きく、京アニのスタッフが

一気に失われた意味を理解できるのには10年単位が必要になると思います。

 

努力をしている人はいい思いが出来て、他人を喜ばせる才能を持つ人は、

自身も幸福につながるという期待があるから人として生きていけるのですが、

この事件にせよ、天災や戦争にせよ、命が強制的に奪われてしまう不条理、

悲しみって、どう昇華させればいいんだろうな。

 

あともうひとつ、強く感じたのが、

こういう令和型犯罪が今の日本で「ついに」起きてしまった恐怖だなぁ。

醜い風貌から漂う狂気は、なんでもかんでも自己責任と

いわれ続けて負けた側の、人や、社会への強烈な劣等感や逆恨み

そのものですよね。きっと、軽蔑され、うとまれ、

ののしり続けられてきた人生だったろうな。

 

負ける側になる人って、努力と関係なく、ちょっとした運命

がきっかけってのも多いです。

今のこの国は敗者復活や敗者勝者のリセット機能が事実上無い。

健康で強靭な人の理性ですら、食わなかったり、寝ないだけで、

2日持たずに犬猫レベルになりますからね。

 

僕も、美しい事を言っていた人が、簡単に崩れていく

醜い瞬間をたくさんみてきました。

人の心なんてホントあてにならないです。

 

生物として、どんなに知能が発達しても、

殺し合いを回避できずに来た人類と重なって見えます。